私と妹は双子なんですが、私たちの親は双子として育てるのではなく、姉妹として育てる方針でした。
ですから2つ上の姉と私と妹
三姉妹という位置付けが当たり前の我が家でした。
小さいころからお揃いのお洋服も着せられずでまあ珍しい感じの育てられ方かなと。
双子双子、めずらしいねー。似てるねーなどともてはやされたりするのですが、個性がかなり違っていたこともあり、妹は常に私の妹でした。

妹は、幼稚園のころに中耳炎になりプールに入れない体になりました。なので泳ぐことができない。
盆休みで父の郷、愛媛県今治市に帰るとき、まだ瀬戸大橋などはなく、新幹線で尾道か三原からフェリーか水中翼船、または大阪南港または神戸港青木からのフェリーのルートがありました。大阪南港からのフェリーは今は大型豪華客船ですが、当時は中型ぐらいに、難民船か!と思うほどの帰省客が押し寄せ、とにかく船内の廊下だけでなく、デッキ、甲板にも毛布を敷いて一晩過ごすという、今では信じられない光景が展開されていました。
当然デッキで寝ると海が見えてね。潮風と一緒に真っ黒い波がザバザバと白波を立てながら動くのをじいーと見ていた小学校のわたくし。そのとき誰に言われるのでもなく持ってきた浮き輪を膨らませてね。もしこの船が沈んだら、浮き輪と一緒に妹を助けないと!妹は泳げないのだから!と真剣に思っていたのです。

いつのまにか妹を守ってあげないと!と思う律儀な姉になっていたわけです。

いろんな気持ちの変遷がありました。
中学生になると、お互いが比較されるようになり、私はだいたいは妹の方ができても寛容なタイプで。そもそも妹は泳げないのでそこからの気持ちかな。
妹はソフトテニスで頭角を現して、最初は私も水泳部だったのでお互いの世界で活躍しそう!みたいな?
ところが父が私が水着一枚で男女一緒に練習するのがどうにもがまんならなかったようで、部活にかけこみ顧問の先生を説得してしまい、泣く泣くテニス部に転部。
妹は先に天才的に上手な一年生として頑張ってましたので私は後輩みたいな?
三年にはなんとか追いつき、大会でも団体戦でペアは違ったけど近畿大会三位までいったりして充実したんですが。
実は部活終了後、勉強に集中できた私の方がめきめき成績がのび、先生から妹が、あなたもがんばったらできるとか言われたりして憤慨。憤慨しても結局しなかったので仕方ないですよね。二人違う高校に。

するとね。
いくら姉妹として育てられたと言っても一緒の学校なら世間様はやはり双子と認識してるし、なにせ中学生はセーラー服でお揃いの服になってしまう。さすがに間違える人とかも出てきて、なんだか双子らしいね!私たち!的に嬉しくなり、三年の最後の正月には夫さん大学ボート部の夫さんよりかなり先輩の方々が自宅にいらっしゃったときに、二人でお揃いのセーター買って着たりね。 
双子は、親友だけど、家まで一緒に帰れて一緒にいれる!
なんて双子ライフをエンジョイしていたのです。


それが違う高校!
初めて一人で通学。
今までは二人がセットだったのに。
なんでも一人でやらないと。
双子だと、知らない人が声を掛けてくれるようなありがたい便利な世界だった。
だけど一人は全くの個人で。
なんだか双子じゃない人は、こんなふうに一人で生きてきたのが当たり前ですごせてきたんた、すごいなあと思ったり。
しかし一人きりは世界は私にとってはかなり違和感ありあり。双子が当たり前だった環境のほうがわりと何をやってもうまくいくことが多かったと痛感した高校生活になってしまったのです。
今考えたら適応障害っぽかったかもね。

その後大学も妹は京都、私は東京と離れて、会社も畑違い。
結婚した相手も建設業と商社で別世界。
子供もない妹夫婦と二人いる私たち。
だんだんとベクトルが違いだし、
今はもう若いときに双子として過ごした、中学生までの15年を遥かに超えて、別々の生活も、もうすぐ45年。

この差はことごとく埋めがたい違いとなり、
双子には見えない二人となりました。
でもそれが本来あるべき姿であって
特にさびしいとかも思わない。

すべては避けられないくるべき運命であったと思います。
それが自然なのだと思います。

次に生まれ変わっても双子がいいと思ってます。
でもやはり将来離れてしまう運命をまた体験しなければならないのはさびしいので、試練を前倒しにして、双子じゃない一人で生まれてきてもいいかもです。
そして
よくよく考えたら、次人間に生まれ変われるなら、
夫さんと私の子供になりたいです。双子でなくてもいいです。
そして、今の長男くん、次男くんの次の第三子、母親似の小うるさい妹として人生を過ごしてみたいです。笑

コメント

yasai
2020年10月4日10:05

ピーターパンさま

 楽しいお話 ありがとうございます

ピーターパン in Japan
2020年10月4日19:04

yasaiさま
拙文をお読みくださり、恐縮至極でございます。

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