日本の地震地図

2005年4月22日 読書
ISBN:4487798760 単行本 岡田 義光 東京書籍 2004/05 ¥1,890

専門的な知識はありませんし、ただ単なる地震恐怖症であるがゆえにときどき地震の本を買って読みますが、久々にこのトピックスで読みたくなったので買ってみました 内容は今まで私が見てきた内容・・つまりは・・素人にわかりやすく「どこで、どんなふうに起こっちゃうの?」ということがわかりやすく書かれています

地震の本といえば、簡単なものですと児童向けのものがありますが、これでさえまず地震の理論から始まって、それから一般的なありきたりな現象のみを取り扱っていて、なかなかに自分の住んでいる、あるいは過去の日本での地震の爪あとなどを調べようとすることが困難でした 私も何冊かの本を読みながら自分で地図で場所や津波が発生したところなどをチェックしたことがあったのですが、この本はこれらをまとめたような形になっていてきわめてわかりやすい内容だなぁ・・と感心しました

日本はすでに地震活動期に入っていて予知されている、あるいはもうすぐ起こるであろうと予測されている箇所(観測強化地点)以外(新潟、玄界灘)などでもゆれ始めています 要するにこの日本は全体がプレートの押し合いへし合いでどんどん変わっていく宿命を背負っていて、ある本によると、やがては島根県と秋田県がくっつくような形で曲がっていく・・と書かれてあり、また霊峰富士は、プレートのぶつかり合いの産物であるといった事実を知るにつれて・・自分が住んでいる土地の危険さを身にしみて感じてしまいます

私が住んでいる千葉県は活断層は少ないのですが、それでも鴨川に神奈川大井松田から伸びている断層(ここはもうすでにいつ揺れてもおかしくないという爆弾的活断層です 鎌倉の南側も相当しますよ)があるのと、市川・船橋あたりの東京湾北縁断層というのがあるのです・・それ以外にも、近辺には茨城南部地方の地震、プレート型による房総沖地震など、これから起こりうるものがたくさんあります また茨城、千葉での地震の頻発は東京大震災の前にも起こったことで・・そろそろ関東を襲う大規模地震というのは目の前になってきたかな?と 思うにつけ・・ 少しでも災害に対しての知識を今も身につけて、いざというときに慌てずに対処できればいいな・・と思っています

それでも実際に体験してないからわかんないや!という方はぜひ「関東大震災」吉村昭著 をご一読なさることをお薦めいたします ドキュメンタリータッチで淡々と事実が明らかにされているだけなのに・・当時の社会背景などが重なってとてもリアルにつたわってきて、まるで体験してしまったような気持ちになります

地震はそれ自身よりもその後におこる火災や、パニックなどが大惨事を引き起こすのだというのも、理屈ではなく手に取るように理解できるのが・・とても不思議に思えました 10年前の阪神淡路大震災のときに、倒壊した建物に閉じ込められて焼け死んだ方もたくさんいらした・・それが彷彿とされ、こんな恐ろしい地獄のような世界が現実にありえてしまうんだ・・ 恐怖症は一層の恐怖感で一杯になってしまいました それでも現実をみすえ、過去から現在を学ぶことができる名著だと私は思っています

最近はインドネシアでの大きな津波被害があって、日本人の間にも危機感が徐々に浸透してきていると思います 以前ジャカルタに駐在したとき、会社の事務所から煙をモクモクと吐いている火山が見えて、あぁ・・ここはやはり地震国なのだと・・思いながら構造物がまるで耐震設計されていない砂上の楼閣であるのをみてため息をつき・・こんな町は長くはいたくないなぁ・・と ことあるごとに友人に述べていたら、当時としてはやはりこんな私の思考がちょっとおかしく映ったようで・・ 自称地震恐怖症変人ですといわざるを得なかった期間ももはや過去のものになりつつあるようです

とはいっても、わが身のことになるときっと慌ててしまうのでしょうね・・・ 災害は忘れたころにやってくる! というよりも今はすでに 知らなくてもやがてはわが身に大災害! っていう感じでしょうか? 危機管理意識を持つことは、外地にいるだけでなく国内であってもいつでも必要なのでしょうねぇ・・ まぁ・・今の日本人にとっては一番苦手な部分なのかもしれませんが・・ 私も改めて気をつけていきたいと思いました

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